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旧作映画を中心に裏読みをしていきますね

【ダークナイト ライジング】

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2012年公開 ダークナイトトリロジーにおける完結作!そして…監督・脚本・製作は、我らが

クリストファー・ノーラン

 

ノーランサイコー( ̄Д ̄)ノでお馴染み。

あなたの心の友、鉄観音(てっかんのん)です。

今回はそのトリロジーではなく、完結作ダークナイトライジングを取り上げたい!もちろん、映画史に燦然とそびえ立つ前作ダークナイトその後という位置付けで多少見劣りするという批評もあるくらい…

だが、僕はひそかにダークナイトライジングありき!そのためののビギンズとダークナイトとすら思っている。

 


子ども心に遠足はその前日のワクワク感が楽しいだけと悟れば、本命はどちらか分かるだろう。遠足あってこそのワクワク感なのだから。しかし、ノーラン監督は当初、完結作の必要性はないかもしれないと乗り気ではなかったらしい。それは、一理ある。もう、遠足前のワクワク感を経験したから、いいでしょ。明日の遠足は中止‼︎…となれば、子どもたちは大人を信じれなくなるが、ワクワク感という醍醐味の後の遠足はそれ自体は意外とただの遠出というだけ。遠足って楽しいよねっていう思い出にはその前日のワクワクから始まり、はしゃぎすぎてバスんなかで先生に怒られる。クタクタになって帰ってくる、そのトータルを言うのだ。何がいいたいかというと、トータルにする為に、遠足(という完結部分)はするけど、それは前日のワクワク感からは遜色にかけるという覚悟でね。と、ノーラン監督は批評家たちの批判をわかっていたのだ。だから、前作に劣るのかといえば違う。つまり遠足(という大本命の完結作)とは、そうゆうもんなんだ!ということ。

 


そこを理解すれば、

遠足(という完結作)のどこに

遠足(という完結作)たる本質があるかがみえてくる!

 


思い切って言おう!

僕は今日ここで述べることを世に発信したいがためにブログを書き始めた。

ここで述べることに気付かせてもらうために、数々の映画を見せられて来た…んだと。

自負している!

だから、今回の更新が僕にとっての…

遠足(という完結作)である。だから、言わんとすることは、ノーラン監督のそれと同じく…そうゆうものだという覚悟で、寛大な心で読んでね。

 

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前作ダークナイトの宿敵ジョーカーとの死闘によりバットマンはその存在意義を大きく揺さぶられ、我慢比べの引きこもり状態というところから物語は始まるが、見た目からラスボス感たっぷりのベインの地道な地下工作、文字通りの水面下工作を嗅ぎつけたバットマンはお外の世界に興味が戻って来る。まさか、ドロンジョさまのお色気に惹かれて戻るほど…でもない。

 


ベインもバットマンも同じ「影の同盟」の門下生である(同期じゃない、ベインがかなり先輩。しかも退学。バットマンもか…いや、自主退学か)という共通の接点があるわけだよね。

 

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そんなベインは正体なんか、どうでもいい!俺は何者でもなかった。このマスクをかぶるまではな。それよりも大事なのは…」と自己紹介しており、何者でもないのだ。

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一方バットマン「俺が何者かは関係ない。正体を知る必要もない。マスクで正体を隠すのは…」

何者かは関係ないらしい…つまり、ベクトル(方向性)は違えども、両者出発点は同じということに気付くだろうか?

 

そう、あの接点「影の同盟」学園である!

 

いやいや、ブルースはボンボンの上の超ボンボンだろ。という社会的地位への偏見がある庶民への目くらましを観客にも与えるとは、さすがバットマン。ブルースとて、身ぐるみ剥がされれば僕らと同じだったじゃないか!彼は超ボンボンである自分にコンプレックス以上の疑問すら感じてる…ただの成金野郎とは真逆の人だった。その詳細はビギンズに描かれている。何者でもない自分を内心自覚していたわけだ。金も地位も意味はないと。

資産も地位も失った上にベイン先輩とのガチンコタイマンにも敗れ、母校「影の同盟」へ送還され、補習コースからやり直してこいというわけだ。もちろん及第できなけりゃ、苦痛のうちに死ねというお墨付き!

 

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学園内の在校生(囚人ども)の年齢層をみるにつけ、どうやら彼らは落第続きの万年生らしい。そんななかに自力卒業のヒントを教えてくれる老齢生徒が…彼は明らかに卒業を諦めているが。

「お前は死を怖がっていない。それを強さだと勘違いしている。それは、脆さだ。…誰よりも強く闘うためには魂の鼓動が必要だ。それには恐怖を感じなければいけない。死への恐怖だ。…それには、命綱なし。それで恐怖を感じられる。」そのアドバイスにブルースは気づいた!あの命綱が結構重量あってさ、ジャンプ力を相殺していたんだよね!と…(´・∀・`)なわけねーだらっ、アフォー

 


同時に僕らも気付かなくちゃいけない!

かつてのブルースには、うなるほどの資金と全面バックアップしてくれるフォックスとアルフレッド。ゴードンの協力。朋友デント。たとえ自分がくじけても仲間たちがみんなで支え、協力しやり遂げていたというその生ぬるい覚悟…だった、ということを!これまでの死闘すらだ‼︎‼︎

穴蔵の底の彼は身ぐるみ剥がされ、仲間の助けも絶たれ、絶望的なまでの孤独。最後に頼りとなるのは自力だけだが、落ちたら…終わりというリアルな恐怖を感じなければ飛べないと分かっている奈落を前に、恐怖こそが魂の鼓動となり得るというわけだが…

その孤独感を見せられてもあなたはブルースを超ボンボンの俺たちとは違う人間だと呼べるだろうか?地位や名誉や財産や人徳がヒーローとなれる資質なんかじゃなく、それは孤独と死への恐怖に向き合う勇気だけなのだ。

そう、

一般ピーポーだろーが、庶民だろーが、凡人だろーが、貧乏人だろーが、関係ない。

そして、その恐怖ってやつは意外と

一般ピーポーや、庶民や、凡人、貧乏人である僕らこそ常日頃から見慣れてやしないかい?

残りわずかな貯金残高

(´༎ຶོρ༎ຶོ`)Oh!Noooo…

 

本当に信じていた心の友が実はジャイアンだったとか

(´༎ຶོρ༎ຶོ`)Oh!Noooo…

 

元カノが違う彼氏と同じ映画を観にきてたとか

(´༎ຶོρ༎ຶོ`)Oh!My God…

 

常に身近にありすぎて、むしろ気づいて恐怖から目を反らし続け僕らの処世術と化しているではないか!

ブルースだから、出来たのではない!ブルースは、ただ

やっただけなのだ!だから、ヒーロー足り得た!処世術にボケている一般ピーポー、庶民、凡人、貧乏人は彼の偉大さを取り違えている!

 


最終決戦を終え、裏ボス(学園長の娘)の目論見も崩れバットマンは融合炉と共に…

 

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ドロンジョさまとカフェで茶しばきながら、アルフレッドと視線を交わす。

 

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はて、不穏な胸騒ぎがしやしないか?

 


ブルース様をお支え、お守りできなかったことをウェイン両親の墓前で詫びていたばかりじゃないか!

 


そう!これは完全な

ミスディレクション

観客を錯覚させて騙す超ボンボンとその執事の…もとい、超高難易度の引っ掛け演技をしてたとしたら…

いわゆるメタ発言(物語のキャラクターがその設定を超えて画面のこちら、つまり観客に話しかけてくるような)の更に上…巧妙なメタ演技をブルースとアルフレッドで仕掛けていたのだとしたら…

誰に?アナタだよ!

ホラ、画面の前のアナタ!

ルフレッドは間違いなく、ブルースの逃避行に1枚噛んでる!そしてブルースもそれに乗った。元から(いや、厳密には…このライジングにおいて)ボンボンと執事は、仲間たちのみならず、僕ら観客までも欺いて緻密な計画通り逃避行する算段だったのじゃないだろうか。

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でもさぁ、ケンカ別れして…

 


いいかい、あのアルフレッドだよ(としか、力説できないが…)コアなマニアファンなら、分かるだろ?あの、抜け目なしのアルフレッド。すべてをかけて支え、味方し、時にウィットにブルースを導いてきた、あのアルフレッドだよ?あのケンカシーンの決別の理由のくだらなさというか微妙なラインで、まぁしょうがないかなぁと思わせるその理由にコロッと騙されちゃいましたよ!『敵を欺くには味方から』なんて孫子兵法をこんな形で体感させてくれるとは…ノーラン監督、策士ですね。

ブルースとアルフレッドの息のあった掛け合いは…バットマンシリーズの名物なのです。寅さんでいうところの…寅さん名物口上みたいなもん。

お決まりなの!

 


僕がこの映画を遠足の思い出における遠足当日と位置付けた理由はここにある。要は宿敵と死闘を繰り広げようが、ヒーローの苦悩あろうが、ラブロマンスあろうが…シリーズとしての名物がこっそりとミスディレクションというカタチで入っていることに気づけないと…なんだかなぁとモヤモヤしたヒーローの引退劇を惜しむだけに終わっちゃうわけ!

 


遠足当日の醍醐味とは…お約束の…そう!おやつ¥500以内というアレを食べる瞬間だーっ!世代がバレるか…

ベタなお約束が1番楽しみであり、事実楽しいのだ。いつも家で食うおやつとは格別違ったろ?

 

 

 

 


でもさ…なんでブルースとアルフレッドは、仲間たちのみならず、観客までも欺く必要があんのさー?

 


そこなんすよ!

そこにこのトリロジー3部作が残した偉大な碑が打ち立てられてるんすよ!たぶん…

 


う~ん( ̄^ ̄)ただのいたずらじゃねぇの…

 


じゃねーだろーという深読み、裏読み、妄想をさせてくれるのがノーランでしょ!

 


うぉーっ、見事にだまされたーっ!というところでブルースとアルフレッドに乾杯。

 


ps 紅茶をすすりながら…いやぁ、語っても語っても語りつくせぬ、この超大作。まだまだ、語りつくしたいことがあるので、いずれまた、どこかで、カプチーノでも楽しみながら…必ず。