裏読み©︎inema

旧作映画を中心に裏読みをしていきますね

【ワールド・ウォー Z】

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(?)ゾンビ映画なんて批評もあるくらいの、ゾンビ映画らしからぬゾンビ映画なんです。

まったくもって!ゾンビ映画の既定路線をことごとく外していくストーリー展開で…ゾンビ映画マニアたちを置き去りにしてくれちゃってますね。

 


さぁ、定石(お決まりの、お約束ね)外しの…その裏には、なにがあるのだろう?

 


この映画で最初に外された定石(だから、お決まりのお約束ってやつね)お分かりいただけましたか?国連の期待を背負って派遣された細菌学者のあっけない事故死。

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別名 自己死とも言えるアレね、通常のゾンビ映画ではしぶとく生き残ってサバイバルのヒントを見つけるオタクキャラの定石ポジションなんですよ。もちろん、本作でも彼との会話から核心に気づいたブラピのインスピレーションに一役かっているわけだから、侮っちゃいけません。彼の死は無駄じゃない!とゾンビ映画マニアたちの涙を誘います。

 

 

 

 

 

 

 


まさしく殉教者であろう、細菌学者先生のお言葉をよくよく吟味してみますよ!

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自然連続殺人鬼だ。凄腕の殺し屋で、独創的さ。だが、殺人鬼は秘かに"捕まりたい"と望むもんさ。鮮やかな手口を賞賛されたいからね。だから、手がかりを残す。何よりも難しいのは手がかりの読み解き方。そして時にウイルスの最凶と思われた部分が、弱点だったりする。自然"弱さ"を"強さ"と偽りたがる。」

 

うむむ、ゾンビーをウイルス性の伝染病と見抜いてるあたりは、さすが!

 

そして何よりこの事態を自然による災害のひとつと見立てるわけなんです、さすが!

 

津波という災害、地震という災害、伝染病という災害、ゾンビーという災害。ゾンビーも数ある

自然災害のひとつにすぎない

といってるわけです!あっぱれ

 

ここ数年、もしくは平成の歴史を振り返ってみても日本は幾多の災害に見舞われてきたことを考えてみれば、それは他人ごとでもないし、自分とは関係のないことなんかじゃないと、分かりますよね。

もっと、言えば世界中を見回しても大災害は各地を襲っているわけで…

アメリカを襲うハリケーン

スマトラ沖大地震

四川大地震

 

 

いまも、そのさなかにある…

被災地の方々の1日も早い復興を願ってます。

 

 

 

この映画におけるゾンビーとは僕らがいつ出くわすとも限らない自然災害のメタファーであるとして、観ると…

 


僕らにできることと、覚悟しておかなくちゃいけないことが、見えてくる!わけなんです。

 


まずは防災☝︎

悲しいかな、それはあくまで対策でしかなく…この映画で描かれるイスラエルそのものと肝に銘ずるほうがいいくらい。いつ破られるかわからないものであるということ。昨年の日本各地の災害をみても、国や役所の防災対策不備を嘆いている世論も少なからずありましたが、防災とはそういうものだ!想定の範囲で防災しているわけで、想定を超えてしまえば脆いものだと承知しておかなけりゃならない。じゃ、どこまで想定するの?となるわけで、完璧な防災などありゃしないと知っておかなければいけない。

ワールド・ウォーZ イスラエル1/2 - YouTube

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つぎに避難☝︎

これは、もう災害の種類に応じて見極めちゃうしかないわけで、細菌学者先生の言う「最凶と思われた部分が弱点だったりする」という言葉通り。

 


水が押し寄せれば、高台に!

 

地震が起これば、建物から出て!

 

ゾンビーがきたら、頭を砕け!

         とりあえず、噛まれなくなるからという

 

ケースバイケースが考えられるが…

 

ブラピの見つけた偽装(カモフラージュ)という妙案…をどう読み解くか。

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あなたは馬鹿げた話だと笑うかもしれないが…地面に接していなければ、地震とは無縁なわけだし、火山口の中なら、洪水は及ばない。という着目と、発想の転換で新たな活路は見いだせないだろうか…。最凶と思われた部分が弱点なのは間違いない!

自然災害に最凶などないのだ!もう少し現実的に考えるなら…この映画が示した通り。致死性ウィルスという本来僕らが排除、隔離、嫌悪するもののなかに紛れ込み活路を見出せるというのなら、僕らが災害を恐れるあまり排除して、隔離し、嫌悪する自然のままの地形、生い茂るジャングル、猛獣なんかもウロウロ…そんなところに見出せるのかも…しれないような…と…考えると、開拓整備されすぎた環境に身を置くあまり…野生的本能ともいうべき、第六感を失ってしまったってことなのかもね。と、なんともまとまらない結論しか見えてこないけど…

 

 

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でもね!ラストに…こそ!希望が描かれてたわけよ!それは、世界的な保健機関(WHO)による迅速な対応を持ってして、僕ら人間はゾンビー災害を一時的に食い止めたということ。僕らそれを当たり前に享受してる現代に生きてっけど、それってよく考えたら、すんごいことでさ。

 


振り返れば近代以前には、自然災害、疫病、感染症による被害は壊滅的なそれであり…まさしく滅亡を辿る文明社会や地域民族も星の数ほどだったはずなんだよ…

そこに戦死者および戦争被災地の民間被害者を含むと過半数超えてたはず…残酷な言い方すると

生活習慣病なんかになる前に外的要因で☠️ね。現代じゃWHO統計による死亡原因の過半数生活習慣病によるらしいからね。飛来するミサイル、土砂崩れによる濁流、インフルエンザなんかより…マクドナルドのバーガーに殺される確率大なんす、僕ら。

 

現代において地球規模でみると…
災害、疫病、感染症に戦死者(テロ被害含む)を入れてもその割合は死亡原因の1割にも満たないんだってさ!

       | イベント情報 | 公益社団法人 日本WHO協会

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それはね、ひとえに現代に生きる僕ら『助け合う』ことに気づいたからなんだよね。被災地の人を思い、物資を送り、励まし合い、助け合う仕組みを作ってきたからこそだろ?

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戦争なんてのは…流行らないんだよね、現代じゃ!まだそれに気づけない奴らもいるんだけどね…


自然災害は怖いけどさ、現代の僕ら『助け合う』ということを世界レベルで実現してるじゃあないか!…それを誇れると思うんだ!

 


٩(๑❛ᴗ❛๑)۶生活習慣病末期まで…生き長らえられる人々が大多数の現代…だなんて、ある意味喜ばしい限りじゃないか!たとえ、災害そのものはなくせなくとも…助け合うことで乗り越えられるわけさ!

 

 

 

 


ぜひ、この機会にご家族で自然災害への防災意識と避難経路を確認することになってもらえたら…細菌学者先生の死も無駄にはならないだろう。

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