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旧作映画を中心に裏読みをしていきますね

【ダークナイト トリロジー】

f:id:tekkan-non:20190223162907j:image                                 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. 

その偉大なるヒーローレガシーを見事現代に蘇らせたばかりか…あらたな金字塔をおっ立て、絶景をみせてくれた三部作であろうことは言うまでもない。けど…言っとくよー

おそらくは…ヒーローと名うつジャンル、カテゴリーにおいて、紀元を刻みつけたと言っても過言じゃあるまい!

ダークナイト以前、そして

ダークナイト以後として後世まで語り継がれるであろう…

 


また、お会いしましたね。あなたの心の友 ♪(´ε` )

鉄観音(てっかんのん)です。

 


ダークナイトライジングにて…次回のデート約束を交わしたでしょ?ほら、カフェで…

えっ?お忘れですか…じゃ、今宵は酒でも酌み交わしながらダークナイト紀元、その頂からの眺めを肴に…

 

  語ろうぞ!

 

完結作ライジングにて、ブルースとアルフレッドのメタ演技を喰らっちゃったのも記憶に新しいですよね?

え?…

「きいてないよー!」という上島さんはこちらへ

【ダークナイト ライジング】 - 裏読み©︎inema

 


まずは世界の成り立ちからみていきますよ。

なぜ?というあなた…ナイスツッコミ有難う!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ブルースとアルフレッドは、仲間たちのみならず、なぜ観客までも欺いて逃避行へ旅立ったのか。

 

そこなんすよ!

 

そこにこのトリロジーが残した偉大な碑が打ち立てられてるんすよ!

 


ボンボンと執事の、ただのいたずらにしちゃあ引っかかるよね…だって、あれだけの熱血夜回り先生ぶりを見せつけられてきてさ、「いやぁ、そろそろ後継者に席を譲ってさ、余生はゆっくり温泉巡りでもしたいなぁ…」と言うブルースを誰が引き止められよう!

もう十分だよ、先生!お疲れサマーっス!

        (´༎ຶོρ༎ຶོ`)

ってな観客を欺く必要は…ないのだから!

 

 

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     …GO!!!

原始時代、かつての狩猟採集民のひとまとまりのチーム(想像しやすく100人以下)たちが狩場や縄張り内外で他所のチームと出くわし、淘汰と統合を繰り返しながら大きな規模の集団(想像しやすく1000人以下)になっていく過程で統率者は集団維持のために『共通の概念=わかりやすく言や、モットーですを作り、まとまりを保ち、より団結を固めながら組織として巨大化していくわけです。これ専門家からは異論あるでしょうが(そもそも権威ある専門家さんは読んじゃいないことは重々承知の上)、ここではイメージしやすく統率者が…みんなをまとめるためにと表現させてもらうだけです。

 

ちょっと想像してみますよ。ひとクラス30人の教室内ではその時点でみんな仲良し。なぜなら、その時点である程度の優劣関係が浸透しているから。あいつは俺んちより金持ちだとか、出木杉くんに今度のテストの山をきいちゃおっとか、しずかちゃんて…とかです。

さぁ、先生たちが怠慢(ストライキにしときまつか)でクラスをどんどん統合していきますよー。はては、校長まで色ボケてやる気ナッシングー、隣町の学校とも統合しちゃえと。さぁ場合によっちゃ、もう数千人規模のひとクラスができあがっちゃいますね。だれが自分のライバルで、だれが心の友で、出木杉の中の出木杉はどいつなんだ。そもそも、授業すら続行不可能。そりゃそうだろって…

でもね、これ人数が増えすぎてまとまりがつかないよってところが問題じゃないんです。だって、日本各地で行われる盆踊り大会やそれこそ、三大祭りの規模をみてもある目的に向かってみんな楽しんでるでしょ?その目的とは?そう、楽しもうぜ!ってとこ。そりゃ中にはその目的のためにハメ外して逮捕者や迷惑野郎も出ちゃうけど…

目的が明確に全員で共有できているかぎりは

一定の秩序が自然発生的にうまれ  人数は問題とは

ならないのです!

要はより明確でわかりやすい(受け入れやすい)共通の目的さえあれば人数は関係ありませんよってわけ。

数千人規模の教室で、「さぁ抜き打ちテストやるぞー」なんて無理なの当たり前だのクラッカーなんじゃなくて、せいぜい30人規模のクラスで「ほら、教科書しまえ。普段真面目にやってりゃわかるだろ~っ?」「ちっ!しゃーねーなー」「ブーブー」くらいのゴタゴタでことは進むのと同じで、数千人規模なら機動隊の出動くらいでことは進むのです。

規模が違うだけ。

そして…この最大規模の教室統合こそ、国家に他ならないのです。

『アプリゲー課金は月1.000円まで(ルール)!その中で最善を尽くし、最大限の成果を目指して頑張ろっ(モットー)!』という鉄の掟は、我家を超えた規模の集団には共通概念(モットーね)に成り得ません。課金に糸目をつけない奴もウジャウジャ…そもそもアプリゲーに興味もない奴だってウジャウジャ。

国民みんなの共通目的=日本で言えば日本国憲法それ。法律はルール。

国家が掲げるモットー

なんてのは、より抽象的でなければ受け入れてもらえないレベル。

モーゼで有名な十戒

「汝、殺すなかれ…以下省略」なんてのはまさにコレ!

みんなが受け入れやすい

集団維持のためのモットー…

そのもの

そのモットーを発表させた神様(ここで指す神とは、ユダヤ教唯一神)のおぼろげな正体がみえてくるでしょ?

集団の維持というまとまり…です。イメージしやすく言うなら、国家

つまり、国家という大規模な集団の維持は教室の生徒一人一人が話し合ってつくったんじゃなくて、先生たちが職員室で決めたんじゃなくて、文科省の官僚たちが徹夜で作ったんじゃなくて、大規模集団維持のための概念(つまり、想像上のシンボル)がその目的のために用意しておいた自然の摂理。そうしないと集団維持できないよという自然の摂理。最初にその摂理に気付いちゃったモーゼというわけ。「誰におせーてもらったんだよー?」という荒くれ愚民に苦し紛れに…「カ、カミ?…」(…ってことにしとこ)という想像上のシンボル、つまり神が自動的に発生してしまったことは…全くの計算外。以後ややこしい宗教戦争の火種になっただけ。そのマニュアルに則って星屑のように様々な王国、文明社会、国家、団結した民族が誕生しては消え…淘汰を繰り返して近代社会に至るわけでつね。

モーゼがその摂理に気がついたというからには、気がついただけで摂理は宇宙誕生の瞬間から普遍的にあったわけです。重力はニュートンが気付く前からあったとおり。

冒頭、狩猟採集民チーム合戦の淘汰が進むなかで集団規模が大きくなってく話しましたよね?統率者が増えていく仲間みんなをまとめるために共通の概念(モットー)を考え出してってやつ、アレね、考え出したというよりも…その摂理に気づいたもん勝ちなのよ。気づけない統率者のチームってね、他所のチームにやられる前にチーム規模が一定以上になった時点で内部分裂始まって自滅よ。30人規模の学級崩壊があるくらいですよ、昨今の統率力なんて。

 

さて、バットマンのいるゴッサムシティも例外なくこの国家という大規模集団の中の一地域に属していることに異論ないですよね?

 

補足として、僕は神を否定はしませんよ。自動発生的に神というシンボルはできちゃったけど…じゃその摂理はだれが用意したんだよ?用意できる誰かがいたんだろ…と、いるともいないとも判断しかねるあたりです。

 


さてここまでが人類史という物語の歩みであり、

この世界の成り立ちでございますよ。

 


さぁー長々とした前説で場はあったまりました

でしょうか?

 

             なげーよ(野次)(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾

 


一切、聞こえません(・ω・)はい 

物語の成り立ちが見えて来たので、

次、その設定ですよ。

 


べんべん!2時間目(・∀・)ノヒャァ…ぅぃ、GO!!!

 


バットマンとは、実はこの集団維持のための社会秩序というバランスをとっているだけ。正義のヒーローでも、怪しいコスプレ野郎でも、超人(鳥人)でもない。バランスをとる必然性のため…バランスをとる相手が不可欠。はい、スケアクロウ、ジョーカー、ベイン。両者(バットマンと…宿敵)は相対的に必然性をもって存在してますから、片方だけでは存在できないのです。

 

だけどさー、バットマンが現れるまでゴッサムじゃ地元マフィアやスケアクロウがやりたい放題やって存在してたじゃん。

その通り!ゴッサム市民という弱者とバランスをとりあいながら相対的に必然性をもって存在してたでしょ?マフィア連中だって、いじめる相手が必要でしょ?その弱者の味方であり、これまでのマフィアレベルじゃない弱者のレベルで秩序バランスを取り戻そうとバットマンは奮闘したわけでつね。かつてブルースは両親を…マフィア絡みの強盗に殺されちゃってますやん。

 

マフィアvsゴッサム市民が…

 

マフィアvsバットマンに代わり…

 

ジョーカーvsバットマンへと…

 

ここでジョーカーはこのカラクリをバットマンにも教えちゃいます。

 

『俺ら、いいコンビだよな?

     コスプレ愛好家同士よっ!』

 

バットマンは…受け入れ難きその真実に「でも、よくよく考えりゃそうじゃん!」と、ヒーローニートという秘奥義を出さざる得なかったのです。さて、どこまでも相対的にしか存在できない自分たちを最終最後市民のもとにまで戻したとき、なにが起こるか?あなたには想像できるだろうか?ヒーローもいじめっ子も要らない平和な世の中じゃねえの…とはならないのだ。それは、それだけでは存在できないこの世の中の摂理みたいなもんで、

 これをこれとするために

 相対のあれ必然とする‼︎

とは…かの有名な…いや、僕がいま思いついた言葉…なんだけどさ、その摂理はこの宇宙誕生の瞬間から普遍的にあった。

             いわゆる二元論てやつ。

                              つまり…

 

弱者市民が弱者市民であるためには、

                  相対の強者統治者が必然となる。

 

強者市民が強者市民であるためには、

                   相対の弱者統治者が必然となる。

 

極端だと感じるなら、言い換えよう。

 

(⚪️⚪️)市民が(⚪️⚪️)市民であるためには、

                  相対の(⚫️⚫️)統治者が必然となる。

 

あきらめ悪く、⚪️⚪️と⚫️⚫️を残したわけではないよ!市民と統治者は相対関係を維持するために白と黒、つまり陰陽相対関係なのだ。だって国家ってこの仕組みなんだから!そうしなきゃ巨大規模の集団維持は続かないという自然摂理なのさ!

 

ちょっと何言ってるかわからないという富澤さんにも分かりやすく例をだすよ。

 

上記の⚪️⚪️と⚫️⚫️にはより明確な性格を与えるために、対義語をあてるとこの世の中はよりバランスよくなるわけで!

 


優しい、市民には

優しくない、統治者が!

 

おー、( ̄▽ ̄;) 納得!

 


出来損ないの、市民には

よく出来た、統治者が!

 

おー、( ̄O ̄;) 正論!

 


    平和を愛する、市民には

   …なんか糞食らえな、

 統治者が

 

そ、そんなぁ…(・・;)まさか…

 


あまりにも目を背けたくなる事実であるがゆえ…伏せ字にさせてもらうが、そおゆう統治者を民意で選ぶわけではない!自然発生的に現れる摂理でしかないのだ。それを体現していたのが、トゥーフェイスと化した

f:id:tekkan-non:20190223003426j:image                                    ©2008 Warner Bros. Entertainment Inc.

ハービーデントだよね。

ヒーローもいじめっ子もいなくなって、平和をみんなで享受できるお花畑時代の到来がくるねとガーデニングセットなんか用意しようものなら、より邪悪な何かを到来させる時代背景、下地、潜在的な憎悪をせっせと準備してるだけという悲劇的なサイクル。まさに…

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ベイン先輩じゃないっすかー!

 

これは、偶然の産物でも回避可能な危機なんかじゃない、宇宙誕生の瞬間から普遍的にある摂理なのだ。いわるゆ、神(というシンボル)が定めた掟。

 


さあ、ここまでが物語のなかの設定ですよ。キャラの役割が見えて来ましたね。

 


バットマンの映画の話じゃなかったのかよとドン引きされてまで、ここまで読んでくれた皆さん。マジ本当有難う。

何が言いてぇんだよ、基地外野郎!

という歓声もあるだろうから…

さらに盛り上がって

いきますよ!٩( ᐛ )و

     まとめていきますよ!べんべん!

 

 

 

仮に前述の相対バランスになるべく悲劇的な事態にならないようなバランスの良い対義語を当てはめるなら…「頑張りすぎずに平々凡々、そこそこで満足できて、最後にゃ運命受け入れて、ぽっくり逝きてぇなぁ」という無欲な市民像が浮かび上がってくるわけで…絶賛ゆとり世代の結婚や出世にも、それほど興味ない草食系の現代若者像…がしっくり当てはまるのだ!絶句する団塊世代じゃなくても、これは僕らがこれまで信じて闇雲に追いかけてきた人生目標とは正反対の負け組だったはずだ。

しかし、そう決めつけるのは、早計であり摂理のバランスとして自然にそうなっただけのことだと分かれば…そして、自然選択の結果だとすれば…ヒーロー像なんてものが、この先の子供たちにとっては、古代ギリシア神話程度のおとぎ話にしかならない、むしろそれでいいということに他ならない。…

ヒーローらないのだ!

ヒーローが必要なのではなく!みんなが受け入れられる(受け入れやすい)モットーがあればいいだけなんだよね。それで統合された教室という大規模な集団内でも、自然と秩序が生まれる。

 

それでも、こんな話理解できない!そんなはずはないと市民が主権を持って、弱者市民レベルでバランスをとり、治安を心掛け、より良い統治者を選別し続けても、『善良な市民が善良な市民であるためには、相対の邪悪な統治者が必然となる。』例の極端な例文に向かって行かざるをえない。秩序を守るための存在は相対のアンチ存在を生むだけでしかないことは、よくわかって頂けたと思う。

 

要は教室内で起こるゴタゴタを大規模にしただけのことなのだ。規模がでかいから、僕らはそれを只事じゃないと大騒ぎする!テロリスト然り。地域紛争然り。民族紛争然り。宗教戦争然り。国家間のそれ。世界大戦。然りある。

衝突がうまれるところには相対の勢力がちゃんと在るのだ。衝突がないところには、勢力も権力もない…カオスという無秩序があるだけなんじゃないだろうか?

 

バットマンというキャラクターの役割ですら、その巨大な教室のなかでバランスをとってる駒でしかないのだから、ブルースとアルフレッドが仕掛けたミスディレクションから、まさに

この

世界成り立ちその中の

善と悪の相対原理

を見抜かなくちゃ

いけないよという訳

だったんでござんす。

長々とヲタ話ぶちまけてきたんだけどね。…で、

見抜いた上で、単なる引退じゃなく、抜け出さなくちゃならなかったというわけなんでござんす。同じ物語のなかのキャラクター面々を欺くばかりか、物語をハラハラドキドキ見守る観客までも欺いて!

これは、ヒーローの引退劇なんかじゃなく、バットマンという物語からのヒーロー自身の…

そこからの

脱却だった

のである。ヒーロー自身がこの物語から脱却しなければ、一人一人の市民が物語の存在そのものにも気づかず、その中での喜劇役者のまま終わってしまう。もしくは、観客である僕らもそこにある物語を客観的に楽しんでいるだけに終わってしまうよ、と。

 

そして、弱者市民はいつまでもバットマンに頼り切るばかり。本人が救われたと思い切らない限り、救われても救われても困ったことが起こるたびに救いを求め続ける…

つまり…

誰も…

救い切れない

救われ切れない

という…

『救い』の原理。

ブルースが逃避行にドロンジョさまを同伴させたのは、なにもムフフのためなんかじゃない。彼女は「市民を救う義務なんかないじゃない」ということに気づいていたから。

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一方のフォックス、ゴードン、ロビンに至っては…ブルースの死を惜しみ…その意志を受け継ぎ…俺たちが頑張らなくちゃなぁ…という物語のなかの設定である責任感にどっぷりなのだ。それは…喜劇役者でしかない。

 


さて、ブルースとアルフレッドはどの時点からメタ演技で目くらましをし始めていたのだろうか?推測の域はでないが…ジョーカーとの死闘以降の引きこもり8年間にせっせとネトゲー依存症にもならず…準備をすすめ機会をうかがっていたと仮定しよう。

 

扇屋フォックスに「バット(ビークル)なんてものもありますぜ、殿!」と見せつけられる前にオートパイロット(旧式の自動運転機能)がブルース・ウェイン名義で書き換えられていた!ことに扇屋は愕然とする…ライジング冒頭から、この完結作のブルースとアルフレッドの掛け合いのセリフひとつひとつが、入念に練り上げ用意された『ヒーロー殉職・そして物語からの脱脚』計画のためのメタ演技であるという前提で見直すと…小憎らしいまでに確信犯的に僕らを欺いていることが分かる!

 

ブレイク刑事(ロビン)へ、バットケーブを託す手筈はいつ?誰が?

 

ウェイン財閥は解体され、資産は売却、管理、整理されても…土地と屋敷は"恵まれない孤児たち"の施設のために!

それを気にしていたブルース…

 

奈落から、封鎖されたゴッサムにどうやって帰還したんだよ、ぼっちゃん…

 

ルフレッドの提言通り、カフェで再会したことを…単なる偶然と見るか、仕組まれた計画とみるか。

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恐らく、途中から姿をくらました首謀者の暗躍によるところだろうと合点いく…だろう。つまり、描かれたストーリーの裏で首謀者とその共犯者の別計画があったことを推測しなければ、ストーリーの表層では辻褄が合わないモヤモヤがアラとして残ってしまう。

 

 

 

 

 

 

そして、キャラクターを超えた視点をバットマンにも見せたジョーカー…そいつ。

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なんとゆう…恐ろしい男。その視点に至ったバットマンも…物語という舞台から脱却し逃避行したわけだから、彼らには永遠に決着はつかない。どちらの勝敗でもなく永遠に決着は…つなかい…。

       『永遠のライバル』

これ原作物語の設定へのオマージュだよね。もっと恐ろしいことを言えば…ジョーカーの先見の明(無計画に見えるんだけどね)、そこからの俯瞰(達観した視点で原理を見抜いてる)、もしかしたら…ヤツの言葉は正しかった(結局、バットマンを排除してしまったわけ→マフィアたちに約束した通り。おまけに排除してもマフィアの時代は来ないよってのも)…とすら気づいたら、あのベイン先輩ですら、ちょい可愛く思えない?リアルジャイアンを地で行ってたけど…役割はキャラクターのそれ。むしろ、バットマン逃避行計画のための駒だったんじゃんと思うと…お疲れ様っすだからね。

 


「さぁ、バットマン亡きいまこそ、我ら市民一人一人が立ち上がるのだー!」というそれは…かのベインの掲げたスローガンにほかならないところが悲し過ぎる。『立ち上がれっ!ゴッサム市民たちよ!』となんら変わりない…という

アンパンマンを見るがいい!彼は相対悪を裁く上に、空腹という生理現象すらも満たすため日夜飛び回ってる。彼のヒーローとしての苦悩を思うと、涙が…いや、苦悩する固有の頭を持たないが故に…いつもホカホカの笑顔なのか…これからも僕らに愛と勇気を!

 

 

 


「誰も救い切ることはできない!救う義務もない!」これがバットマンではなく、あなたが信ずる神のセリフだったとしたら?神様とて、神頼みしてくるファンはかわいいだろうが、救う義務などないのかもしれない。そう!世界の成り立ちにおける神とは…集団維持のまとまりを保つためのシンボルに過ぎなかったよね…

宗教に関わらずとも、あなたの信念や美学や主義や主張をあなたが信ずる神と言い換えても同じこと…

 


尊敬する前田有一先生も言及されている、この作品における大乗仏教ではない、小乗仏教的救いの示唆を…最後に僕なりに繙かせてもらいたい。

めっちゃ乱暴に解説させてもらうと…

大乗仏教(ダイジョウブイv(๑・̑◡・̑๑)と覚えよう!)

ってのは、信じるなら誰でも救ったげるよという大手量販点みたいなもん。

一方、小乗仏教とは、その(受け入れがたい)教義ゆえに大手量販点とは、真逆の…

[分かる奴にしか売ってやんねー。うちの商品はどこにでも売ってるもんじゃねぇ!]

という激レアな教え(真理)のことなのである。

 


今日ここで僕が述べたことは、大手量販点では到底誰も買わないだろう、ましてや量販点なら陳列すらさせてもらえないだろう、それなのである…

 


あとは、ロビンがゆとり世代真っ只中の純草食系であってくれることを願うばかりだ。

悲しいかな…巨大な権力は相応の反権力を産むなら、権力の分散を、しかしその行き先はカオス。カオスの中からはやがて新たな勢力が権力へと…というサイクルの中では、まさに小乗仏教的救いを各自が見つけなければいけないのじゃないかと思ってしまった。

それはこの世界の成り立ち(物語)を見抜き、相対的に現れる(善悪という)バランスを眺め、そこから脱却するという本来の根本的な救い…に気づくことに他ならないのではないだろうか…


今宵も妄想にお付き合いいただき、本当に有難うございました。ご意見・ご感想・罵倒・野次…お待ちしてます。